ご相談をいただいた時点でも「会社理念」「行動指針」は存在していましたが、抽象的であったことから従業員によっての理解度や解釈に差が出ていました。そこで、実際の仕事の場面で行動として発揮できるような、具体的な行動基準を明示することが必要だと考えました。また、全社を対象とした制度づくりに加え、管理職に絞った能力開発の取り組みも行い、組織・人材の基盤づくりを図りました。
以下の3つの点から課題解決に取り組みました。
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1)管理職アセスメントと職務権限の明確化
組織の共有価値観の浸透
2)人事制度の構築
事業ビジョンと戦略、期待人材像とキャリアパスの明示
3)人事制度の導入・運用定着化
薬局長のマネジメント意識・スキルの向上
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具体的には、
1)管理職アセスメントと職務権限の明確化
■管理職アセスメント
管理職を対象に適性検査およびコンピテンシー測定診断を行い、個別に診断結果をフィードバック。客観的な指標をもとに自己の適性を再認識し、今後とるべき具体的な行動を示しました。また、個々の結果の分析を行い、組織全体の傾向と対策をまとめて報告しました。
■モラールサーベイの実施
従業員に対して満足度調査を実施し、その結果の集計・分析を行いました。その中で、組織に潜んでいた課題も浮き彫りにしていきました。
■職務権限規程作成
管理職に対して職務調査を実施し、役職ごとの権限を規程としてまとめました。
2)人事制度の構築
■社内キャリア制度
職種別の成長発展段階をキャリアパス(コース・等級)として定め、各々に期待される役割・職務・必要な知識や技能を定め、とるべき行動を明確にしました。また、すべての職種から新規事業へのコース転換を可能とし、それに必要な能力・実績を定め、能力とチャレンジ意欲のある人材を育成・選抜できる仕組みとしました。
一般職には着実な専門能力の向上を、管理職には専門能力よりもマネジメントスキルの向上をめざせるよう、それぞれに具体的な要件を定義し、自己啓発や育成上の目標を明確にしました。
■人事評価制度
保有能力よりも、実際に行動として発揮したことを評価基準としました。コンピテンシー(優秀者の仕事のしかた)の考え方を取り入れ、職種・等級別に期待される行動発揮レベルを定めました。
■給与制度
つぎはぎ的になっていた諸手当をシンプル化し、基本給・賞与の仕組みの見直しと合わせて支給意義・支給基準を明確にしました。
■教育研修制度
現職の能力開発に加えて、優秀な人材の採用・定着を目的に、教育研修制度を整備しました。教育研修体系は、「理念教育(全社員共通)」「専門教育(職種別)」「階層別教育(新入社員・中堅・管理職)」とし、それぞれに具体的な研修内容を定めました。
3)人事制度の導入・運用定着化
■人事制度運用実務サポート
組織人事マネジメントの顧問契約を結び、「給与改定」・「評価実施」・「賞与」の運用実務を支援すると同時に、年間を通じてご相談に応じています。また、評価実施の都度、説明会を開催し、質疑応答を行っています。
■教育研修の企画実施
あらかじめ定めた研修内容に基づいて、当社にて個別の研修を企画し講師を務めています。
■制度メンテナンス
制度導入後の運用実務をサポートする上で、より一層スムーズな運用ができるよう、必要な改善を支援しています。たとえば、業務の特性上、調剤過誤やクレーム防止などの安全性・リスク対応に対する教育ニーズの高まりを受けて、業務マニュアル、社内ルールの徹底を目的とした評価基準の改正を行いました。