社員は会社側が考えている以上に、慶弔見舞金や旅費交通費には敏感です。金額が世間一般に比べて多いか少ないかではなく、まずは公平性を確保することが大切です。規程がなかった今回のケースでは、案件が発生するたびに過去の支給事例を調べるなど、総務担当者の負担も大きくなっていました。加えて、その都度いくら支払えばよいかの判断を迫られるため、精神的にもストレスが溜まっていたようです。
慶弔見舞金については、過去に支払った支給実績を調査するとともに、世間相場を加味しつつ金額を決定し、慶弔見舞金規程として整備しました。出張旅費は、まず出張区分(日帰り主張か宿泊出張かなど)を区別。また、交通費、宿泊費、日当を設定し、それぞれの場合の支給申請手続きを明確にし、出張旅費として規定化しました。支給金額については、会社の負担と世間相場を考慮しながら中小企業に適切な金額を設定しました。
慶弔見舞金規程および出張旅費規程を整備した結果、社員の不公平感や不満はなくなりました。その上、誠実に対応してくれた会社に対し、社員からは感謝の声が聞こえてきたほどです。また、曖昧な中で支給の事務手続きをしていた総務担当者も、気持ちよくスムーズに支給ができるようになり、無用なストレスから解放されました。事務工数の削減にもつながったようです。