営業部門に多くの人員を配置している割に、総務部門が手薄だった同社。30名程度の会社でしたので、やむを得ない状況でもあります。当然、専任の採用担当者もおらず、応募者への対応は経理担当者や取締役がその場の判断で行い、採用面接でも思いつきの質問をするだけで、賃金などの処遇についても口頭での大まかな説明しかしていませんでした。
とはいえ、この規模の会社で専任の採用担当者をおくことは現実的ではありません。しかし、少なくとも採用担当窓口をおく必要はあると考えました。また、会社が求める人材像を明確にするとともに基本的な採用条件を定めるなど、採用プロセスを確立することが必要だと考えました。
具体的には、採用窓口担当者を選任し、採用に関しての問い合わせ、応募者への案内、採用の合否連絡を、すべて採用窓口担当者に一本化しました。また、求める人材像を明確にし、面接における質問項目を設定し、面接シートを設計。さらに、一人での対応では面接の精度が落ちるため、役員と実務の分かるマネージャーを同席させ、二人で面接を実施する体制に変更しました。勤務条件の説明では、口頭で終らせるのではなく、必ず書面を提示しながら説明をするように切り替えました。