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2018年12月28日 【スタッフ日記】

 学生時代も含め、名古屋で暮らして6年目になります。

 

私の出身地は大分県中津市というところで、大分県北西部に位置する福岡県との県境の田舎街です。一万円札の肖像でもある福沢諭吉が生まれた場所であり、生家は今も大切に保存されています。町の中心には大河ドラマでも人気を博した黒田官兵衛が築城した中津城が今も残ります。

 

このように、一地方都市としてはなかなか豊かな歴史観行資源を備えた我らが中津市。そんな中津市がここ数年、町興しのために観光PRの目玉としているのが『から揚げ』です。福沢諭吉と軍師官兵衛を差し置いての『から揚げ』です。近年ではから揚げの聖地などとしてメディアで採り上げられることも多くなったので、『中津からあげ』というワードを耳にしたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ふるさとの知名度が高まるのは単純に喜ばしいことなのですが、典型的な家庭料理あるいは居酒屋メニューであるから揚げが地域の名物として扱われるというのは、よくよく考えるとまったく不思議なものです。『中津からあげ』を実際に食べたことのある方はよくお分かりだと思いますが、味に関して言えば、そこらへんのちょっと美味しいから揚げと大して変わりません。味付けや姿かたちが特殊で変わっているのかというとそんなこともありません。実物は、偏差値50~60程度で想定の範囲を超えないから揚げです。

 そんな中津からあげがどうしてこれほどの人気を博すようになったのか。マーケティングだの何だのといった難しい話は分かりませんが、「関わる人たちが誠実な仕事をしたから」ということは理由の一つとして間違いないのではないかと思っています。

どんな店で食べてもそれなりに美味しいが特別な個性もない。考えてみると、から揚げと社労士事務所とは何だか似ているような気がします。私共の仕事というのは、法律という確立された基準がベースとして存在することもあり、他との差別化がなかなか難しい部分があります。あくまでもお客様が何を求めるか、どうしたいか、という潜在・顕在ニーズが先にあり、それを明確化し実現させるためのお手伝いをさせて頂く、というのが本旨ですので、奇をてらったご提案をして気を引くようなこともありません。

 そんな、ある意味では地味な仕事をする私共ではありますが、せめて他の事務所と比べて【特別】な事務所でありたい、と常日頃考えています。そして『どう特別になるか?』ということを考える際に、中津からあげのケースが大変参考になるのです。奇をてらう、突飛な提案をする、過剰な演出をする、耳ざわりの良い話ばかりする、そのどれも私共の仕事には必要ありません。【誠実・愚直・感動】を社訓とする私共は、誠実にクライアントと向き合い、本当に必要なことを愚直に考えて提案をし、その結果としてから揚げを食べたときのような程良く胸にしみる感動を創出します。強い刺激などはありませんが、皆様から「何だかいいよね」と仰って頂ける、そんな仕事をしたいと思っています。

地元のことを考えているつもりが、いつの間にやら来年の抱負のようになってしまいました。

 

本年は大変お世話になりました。

来年も変わらぬご愛顧を賜りますよう、お願い申し上げます。

 

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